☆実験のめやす:5分~10分
浮沈子(ふちんし)とは、漢字にある通り、
浮(う)く動きと、沈(しず)む動きをする科学のおもちゃです。
用意するもの
- ナット(大きさはM6)
- しょうゆさし(100均で小さいサイズの物)
- ペットボトル
- 食紅(なくてもいいです)
- ボウルやおけ
実験方法① 浮沈子の作り方
ギリギリ浮くしょう油さしを作ろう
浮沈子をつくるためには、『ぎりぎり浮くしょう油さし』を作る必要があります。
それでは作り方を説明します。
まず、しょうゆさしのキャップをはずします。
キャップの代わりにナットをはめていきます。
ダイソーのしょうゆさし(小)であれば、M6ナットがぴったりハマるはずです。
(中サイズだとM7かM8ナットがハマりますが重すぎるのでできません)
次に、ボウルやおけに水をはります。
(しょう油さしの中の水に色を付けたい人は、このボウルの水に食紅をまぜましょう)
ナットをはめたしょうゆさしを水の中に入れて、
おして、しょうゆさしの中に水をいれていきます。
一度おしたら手をはなし、浮かぶのか沈むのかを確認します。
これを何回か行い、沈むまでくりかえします。
沈むようになったら、今度はしょうゆさしを水の上に持ち上げ、
1てき水をおとしたら、また浮くか沈むかを確認します。
これもくりかえし、浮くようになったしょうゆさしが、
『ギリギリ浮くしょうゆさし』になります。
さいごに、ペットボトルにいれていきます。
ペットボトルをに水をマックスまで入れます。
その後、そ~っとギリギリ醤油さしを入れます。
(水がこぼれるので注意!)
あとは、キャップをしっかり閉めれば完成!
ペットボトル内で浮いているしょうゆさしですが、
ペットボトルを押すと下に沈むようになるはずです。
これを浮沈子といいます。
完成動画は下の方にあるので、参考にしてください。
実験方法② 逆浮沈子の作り方
ギリギリ沈むしょう油さしを作ろう
逆浮沈子では、浮沈子と逆の状況を作ります。
つまり、『ギリギリ沈むしょうゆさし』の作成です。
まず、からっぽのしょう油さしを水の中にいれて押します。
ある程度、水が入ったのを確認したら、手を離します。
1度入れたぐらいでは、おそらく浮くと思います。
(もし沈んだら、ざっくり水を抜いて下さい)
浮いてきたしょう油さしを、もう一度水の中に入れ、軽く押して泡を『1つぶ』出したらまた手を離します。
また浮いてきたら、沈むようになるまでこれをくり返します。
沈むようになったら、『ギリギリ沈むしょう油さし』の完成です。
浮沈子の時と同じように、ペットボトルに水を入れていきますが、
ここで一工夫! ペットボトルを押してへこませた状態で水を入れます。
へこませたまま、水をマックスに入れて、そのまま『ギリギリ沈むしょう油さし』も入れていきます。
ふたをしっかり閉めて完成です。
ペットボトルの中では、しょう油さしは沈んでいると思います。
ペットボトルのへこんだ部分を戻すように、へこんでいない部分を優しく押してみてください。
すると、しょう油さしが上へと浮かんでくると思います。
これを逆浮沈子といいます。
参考動画はコチラ↓
なんで浮いたり沈んだりするの?
※小学生向けのかいせつのため、『加圧、減圧』という言葉を用いずに説明しています。
浮沈子の原理
空気の入ったビニール袋をしばって水に沈めると、
ビニール袋は浮き上がってくると思います。
これは、空気に『浮力(ふりょく)』という上に浮き上がる力がはたらいているからです。
例えば、ビニール袋の中をほとんど水にして、しばって水に沈めると、おそらくビニール袋は沈むと思います。
これは、空気の量がへってしまったことで、浮力の力も減ってしまったらです。
ちなみに下に沈む力は『重力(重力)』と言いますが、
浮いたときは、浮力>重力 であり、
沈んだときは、重力>浮力 ということになります。
浮沈子の最初の状態は、しょう油さしがういているので、
浮力が重力に勝っている状態です。
ギリギリ浮いているしょうゆさしなので、ギリギリ勝っています。
この時のしょうゆさしの中の空気の量があれば、浮くことができるということです。
しかし、ペットボトルを押すと、入っていた水が行き場を失い、ギュウギュウの状態になります。
進めるところを求めて、しょうゆさしの中にも水が入ってきます。
この時、空気は水に押し縮(ちぢ)められる状態になり、空気の量(かさ)がへってしまいます。
すると、さっきまでギリギリのところで勝っていたパワーバランスがくずれます。
浮力と重力の力が逆転し、沈んでしまうというわけです。
また、ペットボトルを押すのをやめると元通りになるため、また浮いていきます。
逆浮沈子の原理
逆浮沈子は、浮沈子の反対の現象(げんしょう)が起きています。
最初の状態は沈んでいるので、
重力>浮力 です。
ギリギリ沈んでいるので、ギリギリ重力が勝っている状況です。
へこんだペットボトルを元通りの形にしようと押すと、
ペットボトルのかさが増えます。
つまり、ペットボトル内での水の行き場が増えたことになります。
そのため、しょう油さしの中の水も外側に流れます。
すると、しょう油さしの中の空気が増えるため、浮力が増します。
そう、力の逆転が起こります。
浮力>重力 となったため、
しょう油さしが浮かぶようになったのです。
これを逆浮沈子といいます。
浮沈子も逆浮沈子も、
しょう油さしにいれる水の量を変えてみると、
浮かばせたり、沈ませたりするための力の具合が変わります。
同じペットボトル内に、異なる量のしょう油さしをいれてみても面白いです。
ぜひ、自分なりの浮沈子、逆浮沈子を作ってみてください。
逆浮沈子は楕円(だえん)の容器で作られることが多いです。
お風呂用洗剤にあるような楕円の容器は、横側からおすと、円の形に近くなります。
楕円から円になると、かさが増えるので、逆浮沈子が成功します。
今回は同じ材料で簡単に行うため、ペットボトルでの作成といたしました。