今回は浮かぶ一円玉と木片の秘密について考えます(考察)。
どのような実験か見ていない方はコチラ
#2 | 考えるカラス~科学の考え方~ | NHK for School
今回は、最初から検証動画を取ってみましたので、↑のサイトは見なくても大丈夫です。
浮かぶ1円玉の秘密
一円玉は、そっと水面に落とすと、水に浮くことができます。
一円玉の水面での動きの特徴(とくちょう)は2つあります。
- フチの方にはいこうとせず、真ん中の方にいたがる
- 2枚一円玉をいれると、一円玉同士くっつこうとする
動画にしたのがコチラです↓
一円玉と木はちがう性質をもつ
一方、木を入れてみると、一円玉と反対の動きをします。
つまり、木は
- 真ん中に行こうとせず、フチ(外)にいたがる
- 木と一円玉はくっつこうとしない
ということです。
水をいっぱいにすると、性質が逆転する!
しかし、おわんに水を注いで、ギリギリまでいれると、
一円玉と木の性質が反対になります。
つまり、
一円玉:真ん中にいたがる ⇒ フチ(外)にいたがる
木:フチ(外)にいたがる ⇒ 真ん中にいたがる
ということになります。
動画にしたのがコチラです↓
一円玉と木の動きが反対になる理由
一番のナゾである理由を考える前に、一円玉と木の動きの理由から考えていきたいと思います。
一円玉の動きのヒミツ
まず、一円玉は水に浮きますが、水より軽いから浮いているわけではありません。
このサイトでも何度も扱っている水の『表面張力(ひょうめんちょうりょく)』によって、浮いています。
表面張力がよく分からないという人のために、ざっくり説明をすると、
水同士が引っ張り合う力のことです。
水同士が手をつないでいる中で、物が落ちてくると、手が切れてしまいます。
物が重ければ、この水の手を突破(とっぱ)して沈みます。
しかし、一円玉は比較的かるいので、ギリギリ水の手によって支えることができるのです。
もちろん、勢いよく落とせば、一円玉は沈んでしまします。
色々言いましたが、ここで押さえておきたいポイントは一つだけ!
一円玉は、水よりも重い です。
木の動きのヒミツ
木にもいろいろな種類がありますが、
今回使っているのはヒノキの木片で、とても軽い素材です。
そのため、水上に浮かぶ木を何度つついても、
木が水に沈むことはありません。
つまり、木は水よりも軽いということです。
もっとも大事なポイント
さて、上の二つのポイントは、水よりも軽いか重いかということです。
そして、ここが一番ポイントとなる考え方。
『軽いものは上に、重いものは下にいこうとする』です。
さぁ、これが何を意味するか考えていきます。
コップの水の形は、量によって変わる!
まず、下の二つの水を見てください。
コップに満タンの水がはいった方は、山のように盛り上がり、
メスシリンダーに半分ほど入っている水は、谷のような形をしています。
つまり、水面は常に同じ高さにあるのではなく、
さらに水の量によって、高さが変化するということです。
そして、先ほどのもっとも大事なポイントの出番です。
一円玉は水よりも重たいので、下にいこうとします。
つまり、山型の水ではフチ(外)の低い方へ。
谷型の水では真ん中の低い方へと移動するということです。
一方、木は水よりも軽いので、上にいこうとします。
つまり、山型の水では真ん中の高い方へ。
谷型の水ではフチ(外)の高い方へ移動します。
まとめ
今回の実験をまとめると、
一円玉が低い方へいこうとするのは変わらない。
木が高い方へいこうとするのも変わらない。
変わるのは、水の量によって『谷型』から『山形』へ、
真ん中とフチ(外)の高さが逆転するということです。
今回の実験は、水よりも重たいものと軽いものを上手に利用したことによって、
マジックのようなものの動きを見せることができたと言えそうです。
あくまでも考察の域に過ぎませんので、
「ぼくは、わたしは〇〇と思う」という意見は大歓迎です。
色んな角度で考えて、自分なりの答えを探してみてください。